【株戦記】 QB Paulson Touchdown or Sack ? [株]
今週の市場
強面のHenry Paulsonがワンマンショーを演じた週であった。スキンヘッドの元ゴールドマン・サックスCEOの決断が世界の株式市場をジェット・コースターのように乱高下させた。
--------------------------------------
週末値 前週比
Nikkei225 11,920 -294
NikkeiJQ 1,302 - 30
Mothers 447 10
Dow30 11,388 - 33
Nasdaq 2,273 12
CMEN225 12,475 160
--------------------------------------
連休明けの日経平均は前日のDOW504ドル安の急落を受けて、605円安と3月17日の安値をアッサリと更新してしまった。翌日僅かに反発したものの、米国市場の金融不安再燃から18日にはザラ場で11301円まで下げた。週末こそ米国で不良債権買取機関設立構想が出たことから急騰したが終値では12000円を超えられなかった。業種別では繊維、海運、機械などの上昇が目立ち、一方証券・商品先物、不動産、精密機械などは下落した。
マザーズ指数は連休明けに指数算出以来の安値404ポイントを付けたが、その後は堅調で3日続伸した。週足でも2週連続の陽線となった。
日米で8月の半導体製造装置BBレシオが発表されたが、レシオも受注額も7月とほぼ同水準であった。底打ち感は欠けるが、フィラデルフィア半導体指数(SOXX)は16日に2003年5月以来の安値305ポイントを付けた後急反発した。
予想もしなかったリーマン・ブラザーズの破綻、メリル・リンチのBOAへの身売り、米政府のAIGへ緊急つなぎ融資、空売り規制から空売り禁止と何でもありの米国市場であった。イギリスやドイツでも一部金融株の空売り禁止、ロシアや中国では政府が株式の買い支えと株価対策に懸命になっているが、わが日本は出来レースの総裁選をタラタラやっているだけで内閣は半分脳死状態。サブプライム問題発生時点からの株価下落率は日経平均の方がDOWより大きいのだけどね~。
それにしても驚いたのはニューヨーク連銀のAIGへの融資金利がLIBOR+8.5%と高利貸し並みの水準(米国の国債利回りは3%台半ば)だったこと。直近では11%になるので、850億ドル丸ごと借りたとすれば利息だけで何と94億ドル(約1兆円)となる。さっさと資産売却して返済に走るのは目に見えているのでAIGの解体は決まったも同然だと思う。
先週ホールドした東京エレクトロンは急落したが買値を切らなかったので下がったところで買い増しをした。ディスコは損切りラインまで下がらなかったのでこれまた買い増しをしたら、何と週末に急騰したのでさっさと利益確定した。来週反落したらまた買うつもりだ。ソフトバンクも1515円で少し買ってみたが翌日には1600円まで上昇した。まだ上がると見てホールドすることにした。他にも買いたい銘柄あったが、勇気を振り絞れず迷っているうちに上昇してしまいチャンスを逃してしまった。これだけ値動きが荒いと、上手い人は相当儲けているんだろうなぁ~。
来週の主なスケジュール
------------------------------------------------
国内
26日 8月全国消費者物価指数
海外
24日 8月中古住宅販売件数(米)
25日 8月新築住宅販売件数(米)
8月耐久財受注(米)
------------------------------------------------
来週の展望と投資スタンス
CMEが大証終値比595円高の12475円で戻ってきているので、週初は高く始まると見ている。24日にかけて配当狙いの買いもありそうなので、週の前半は堅調に推移すると見ている。
米政府の金融安定化対策の概要が見えてきた。公的資金による不良債権の買取は最大7000億ドルになりそうだ。法案成立には議会の承認が必要になるので紆余曲折があるかもしれないが、期待先行で株価上昇要因になりそうだ。
来週は住宅と景気に関する統計が発表され、バーナンキ議長とポールソン長官の議会証言がある。これらに一喜一憂することになるだろうが、米国の信用リスク問題の峠を越えるかどうかの分水嶺になるのではないだろうか。今後はむしろ欧州市場が問題となってくると考えているのだが…。
投資スタンスは買いで行きたい。3月のように一本調子での上昇はないと見ているが、日経平均は13000円近くまで戻るのではと期待を込めてみている。全てはワシントンのエースクオーターバックポールソンのゲームプランとプレイに懸かっているのだが…。
コメント 0