天皇賞・秋 回顧

欧州では７連勝で凱旋門賞をZarkavaが制し、米国では９連勝でBC Ladie's classicをZenyattaが制し、そして日本の盾もウオッカが制した。２００８年は世界の競馬が歴史的名牝を生んだ年であったと後年語り継がれることになると思う。秋の天皇賞で牝馬が１、２着したのは実に半世紀ぶりらしいが、その時の勝ち馬はセルローズで初めて聞く馬名だ。競馬関係者でも知っている人はほとんどいないと思うのだが…。

レース結果     　　　　　　　 天候；　　    馬場；良
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　　○　ウオッカ　　　　　　　1:57.2Ｒ　前半3F 35.2 - 4F 47.1
　　◎　ダイワスカーレット　　ハナ　　　上り4F 46.9 - 3F 35.2
　　▲　ディープスカイ　　　　 クビ
　　　　 カンパニー　　　　　　 ハナ
　　　　 エアシェイディ　　　　 クビ
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馬券 馬連、３連単　的中！

抜群のスタートでハナに立ったダイワスカーレットが後続のキングストレイル以下を２馬身引離して逃げたが、３コーナー手前からウオッカと同厩舎のトーセンキャプテンが絡んできた。ラップは３Ｆ35.2、１０００通過が58.7と天皇賞にしては平均ペース。ハロンラップ１１秒台を刻み、残り６００からはペースをアップしたため後半の千が58.5と前半の千を上回る時計になった。結果従来のレコードを0.8も上回る驚異的な時計となった。９着のキングストレイルが１分５７秒７で、スペシャルウィークのレコードを軽く越えているのだから、タフなレベルの高いレースであったと言っていいだろう。

長い写真判定の末、２ｃｍ先に出ていたウオッカが４つ目のＧⅠタイトルを手中にした。ダイワスカーレットが緩みのないペースで引っ張ったため、折り合いの心配がなくなり、直線残り４００からディープスカイとともに上がってきた。２００を過ぎてディープスカイを交わして、内外離れたがダイワと並んでのゴール。最後は一杯一杯で脚が上がっていたようだ。

惜しくも２着になったダイワスカーレットも流石だった。道中ペリエのトーセンキャプテンに突っつかれペースダウンできなかった上に、直線残り１００ではウオッカ、ディープスカイに並ばれる苦しい展開の中、二枚腰で差し返す根性を見せた。兄妹による天皇賞制覇はならなかったが、今日のところはウオッカに負けたのではなく、「チーム角居」に負けたと言ってもいいだろう。

内枠だったこともあり、前に出してレースを進めたディープスカイは終始ウオッカの前に位置し、直線も坂上からウオッカと共に伸びてきた。ウオッカに交わされても食い下がった渋太さに超一流馬の素質の片鱗が見えた。ダービーで最後方の大外からまとめて差し切った力は３歳世代では抜けていることを示していたが、古馬とも差のないことを示せたのは大きい。伸びしろも古馬以上に期待できるので、反動がなければＪＣはもちろん有馬でも勝ち負けの勝負になるのでは…。

馬体重が＋１０Ｋと戻ったカンパニーは３着はあるかなと見て馬券に加えたが、出が悪く殿から２番目の位置取り。これでは掲示板も難しいかと思っていたら、４コーナー最内を回り、直線狭いインを縫って上がってきて、ゴール前ではダイワとディープの間に突っ込んできた。ノリの一か八かの騎乗が嵌った惜しい４着であった。人気のない時の腹をくくったノリの騎乗は見応えがある。次はマイルＣＳだろうが、人気にもなるので前に出す競馬になるのではと見ているが…。

５番手で追走したアサクサキングスは休み明けの上にこのスピード競馬では0.5差の８着もやむを得ないだろう。一叩きした次走は変わり身を見せそうな気がする。

強い５歳世代のサクラメガワンダーも0.2差の６着と、不得手な遠征競馬にしてはよく走っている。力をつけているので、京都のマイルなら更にいいパフォーマンスを見せられるのではないだろうか。

他で目に付いたのは９着と着順こそ悪いが先頭から0.5差で、先行して最後まで粘ったキングストレイルだ。いづれ、ＧⅠでも穴をあけそうな気配がする。

ダイワは有馬記念に直行のようだが、ＪＣにはウオッカとディープスカイ、それに天皇賞を見送ったメイショウサムソン、菊花賞からオウケンブルースリと有力馬が揃いそうだ。現時点では斤量面で有利な３歳馬のディープスカイを中心視しているが…。

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