日本ダービー 回顧 [競馬]
皐月賞組が上位を占め別路線組は5着が最高であった。ミスプロ系を父に持つ馬が1、2、5着、そしてBMSにもつ馬が3、4着とサンデー系一色だった日本の競馬が変化してきているのかも…。King's BestもキングカメハメハもKing Mambo系で、他にアルカセットやルールオブローもいるので、今後益々この血筋が幅を利かすことになるかも?
天候; 馬場;良
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△ エイシンフラッシュ 2:26.9 前半3F 36.1 - 4F 48.8
〇 ローズキングダム クビ 上り4F 45.8 - 3F 33.4
▲ ヴィクトワールピサ 1 3/4
☆ ゲシュタルト クビ
ルーラーシップ アタマ
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馬券 手を広げておけば馬連は的中できたんだが…
スンナリとハナに立てなかったアリゼオだが、1~2角のコーナーワークを利して何とか主導権を握った。1000mが61.6と予想通りのスローペース。ヴィクトワールピサはインの5番手、中団のインにエイシンフラッシュでその外にローズキングダム、その後にヒルノダムール、スタートで後手を踏んだペルーサは後方から3番手、殿はレーヴドリアンの並び。
バックストレッチでは更にペースダウンし中間地点は1分15秒1と超スローになり、レースは淡々と進み、動きがあったのは3角過ぎであった。まずペルーサが外を回って押し上げて行き、4角にかけて馬群が一塊になった。残り400で逃げ込みを図るアリゼオにトゥザグローリーが並びかけ、その外からゲシュタルトが迫ってきた。
残り200でゲシュタルトの外から伸びてきたローズキングダムが先頭に出たが、その内からエイシンフラッシュの末脚が切れ抜出してきてこの2頭がクビ差で1、2着。内からヴィクトワールピサがジワジワと伸びて何とかゲシュタルトを交わして3着。
前半はスロー、中盤が52.3と超スローになった為後半3ハロンの瞬発力勝負になったレースで、インコースをロスなく回り直線坂上までジッとし脚を溜めていた馬が残り400から究極の瞬発力を発揮した。レースの上がりが33.4とまるでスプリント戦のタイムのようだ。
過去に例のない緩い流れのダービーで評価が難しいが、少なくとも菊花賞に結びつくようなレースではないことだけは確かだと思う。King Mambo系には早熟傾向があるので現時点での完成度の高さがこの結果に結びついたように思えるので、秋には勢力図が一変している可能性もあると見ている。上位馬は血統面からも淀の三千向きとは言えないので、恐らく菊に向わず天皇賞に参戦してくるのではと個人的に思っているのだが…。
タイム 前半=中盤=後半 1200m 上り
2010年 エイシンフラッシュ 2分26秒9 良 48.8=52.3=45.8 75.1 33.4
2009年 ロジユニヴァース 2分33秒7 不 47.7=51.6=54.4 72.3 39.7
2008年 ディープスカイ 2分26秒7 良 48.4=49.7=48.6 73.6 36.4
2007年 ウオッカ 2分24秒5 良 48.4=49.5=46.6 72.6 34.4
2006年 メイショウサムソン 2分27秒9 稍 50.2=50.4=47.3 75.2 35.3
2005年 ディープインパクト 2分23秒3 良 47.6=49.0=46.7 72.2 34.5
2004年 キングカメハメハ 2分23秒3 良 45.9=49.0=48.4 69.4 35.9
母系が“重い”ドイツ血統なので切味勝負には向いていないと見ていたエイシンフラッシュが、上り32.7の末脚で切れるローズキングダムを差し切ったのには驚いた。ディープインパクトの上がりは33.4、ウオッカのそれは33.0だったことを思い起こせばとてつもなく凄い脚を使ったことがわかる。予想通りインの中団からロスのないコース取りで、ウチパクが仕掛けのタイミングを一呼吸遅らしたことも最後の驚異的な伸びにつながったようだ。父King's Bestは英2000ギニー馬でマイラー色の濃い血統で欧州での産駒もマイル以下で結果を出していることからも、よくぞマイル半の距離がもったものだと思う。どう見ても淀の三千は長すぎると思うのだが…。
中間順調さを欠いたローズキングダムは中団で折合い、4角からスッと外に出して残り200で一旦先頭に立ったが、そこから内を掬われるような形でエイシンフラッシュに差されてしまった。府中向きと見込んだ通りの競馬をしてくれたが、直線平坦の京都ならなお向いていると思うので、距離さえ克服できれば菊でも好走するかも…。
皐月賞馬のヴィクトワールピサは5番手のインで流れに乗っていたように見えたが、イワタによるとバックストレッチで折合いを欠いたようだ。直線もインの開いた所を突っ込んできたが、思うような伸びではなかった。中盤でのリキミが最後の直線の伸びに影響したのかも知れないが、ネオユニヴァース産駒なので究極の瞬発力勝負に向いていると思えないので、むしろ展開が合わなかったと見るのが正解では? ある程度流れて力勝負になるのがこの馬にとっては良さそうだ。ただ、今のところネオユニヴァース産駒はロジユニヴァースもアンライバルドも成長力がイマイチだったのは気になるが…。
スタートの後手が最後まで響いたペルーサは0.5差の6着。出遅れて後方からの競馬になり、馬群が固まっていたので外を回って押上げ、4角も大外回しては今日の流れで瞬発力のないこの馬には厳しかった。まだまだ成長しそうな血統と馬体なので秋には本格化して、いづれGⅠを取れる馬になると思う。
本命に推したアリゼオは直線の坂下までは踏ん張っていたが、そこからは下がるばかりで母系から懸念したように距離が長すぎたようだ。それにしてもウィリアムズの逃げはお世辞にも上手とは言えない。瞬発力のある馬でないのに動くのが遅すぎる。最終レースの目黒記念でもミッキーペトラで同じような乗り方をしているのを見ると、府中の長距離レースでの乗り方を掴んでいないのではと思われる。あるいはこの程度の騎手なのかも?
ルーラーシップ、トゥザグローリーの良血2頭は秋が楽しみな馬だ。大外枠から先行して直線でも見せ場を作ったトゥザグローリーは秋には大化けするかも…。
ペルーサ・・・3着は外さないと思っていたのですが・・・。
by ドリームCB750 (2010-06-02 00:44)
>ドリームCB750 さん
出遅れが響きましたね。あれで連対できるようだと超大物なのだが...。
by miharukoma (2010-06-02 00:58)