札幌記念 回顧

今シーズンの札幌二千の傾向通りロベルト系グラスワンダー産駒のアーネストリーが横綱相撲で圧勝した。思い起こせば新馬戦で後のオークス馬トールポピーを寄せ付けなかったほどの素質を見せていた馬で、体質の弱さなどで順調さを欠き出世が遅れたが、ようやく５歳世代のエース格にまで登り詰めてきた。

           　　　　　　　天候；　　 馬場；良
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　▲　アーネストリー　　　1:59.4　　前半3F 34.6 - 4F 46.9
　◎　ロジユニヴァース　　１ 3/4　　上り4F 47.5 - 3F 35.6
　　　 アクシオン　　　　　  １ 1/4
　△　ヒルノダムール　　　アタマ
　〇　ジャミール　　　　　  １ 1/4
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馬券　馬連：的中！　　３連単：沈没！？

ロジユニヴァースが積極果敢に行ったためドリームサンデーが楽にハナを切れなかったが、コーナーワークを利して何とか先頭に立ちレースを引っ張った。４ハロン46.9とハイペースだったが５、６ハロン目がガクンとペースが落ちたため1000ｍが59.3と平均ペースに近い流れとなった。

レースは２番手につけたロジユニヴァースが直線先頭に立とうとする所を、３番手にいたアーネストリーがアッサリこれを交わして先頭に躍り出て、最後は遊び遊びのゴールのように見えた。

　　　　　　　　　　　　　　　　            勝タイム　 前半=後半
2010年　アーネストリー　　　  良　1分59秒4　59.3=60.1
2009年　ヤマニンキングリー　良　2分00秒7　60.2=60.5
2008年　タスカータソルテ　　 良　1分58秒6　58.4=60.2
2007年　フサイチパンドラ　　  良　2分00秒1　60.7=59.4
2006年　アドマイヤムーン　　 良　2分00秒3　61.2=59.1

残り600辺りから流れが速くなることの多いこのレースだが、今年は残り800からスピードアップしたため長く脚を使える実力馬向きのレースになったと言えるだろう。タイムこそ歴代３位だが内容は濃くレベルの高いレースだったと思うので、上位に来た馬は秋のＧⅠ戦線でも活躍が期待できそうな気がする。

アーネストリーは重賞３勝目で二千は９戦６勝となった。先行して確りした末脚が持味だが切れる脚はなさそうだ。今後は天皇賞→有馬記念のローテーションらしいが、府中の二千ではスローの上がり勝負にならなければいいレースが出来ると思うが勝ち負けまではどうだろう？　瞬発力不足で府中の二千は向かないとの見方もあるが、ＢＭＳがトニービンで祖母がギャロップダイナの全妹ダイナチャイナなので血統的には府中向きである。それ以上に暮れの中山のやや荒れた馬場で力勝負になり易い有馬記念は狙って面白いような気がする。

追い切り２本で仕上げ途上と思えたロジユニヴァースは＋２２Ｋで登場したがパドックでは太くは見えなかった。持ち前の先行力は健在だったが、アーネストリーに簡単に交わされる辺りを見ると、やはり完調手前の出来だったのかも？　脚元に不安のある馬なのでこの後何もないことを祈りたいが、天皇賞もＪＣも重にでもならない限り厳しいのでは…。

３着のアクシオンは中団前目の位置で上手く流れに乗ったのが功を奏したようだ。陣営は完調手前でこれだけ走れば上々と言っているようだが、完調に近い状態でもＧⅠ戦線では少し足りないような気がする。オールカマーかアルゼンチン共和国杯狙いでいいのでは？

３歳馬ヒルノダムールはスタートの躓きｶﾞ痛かった。それに放牧からガレて帰ってきたようで、滞在競馬で＋８Ｋは馬体回復途上だったのだろう。その辺りが直線いい脚で伸びてきたものの最後止まった原因かも？　菊に直行するようだが、馬体がキッチリと回復すれば今日の古馬との戦いの経験が生きてくるかも…。

期待したジャミールは外枠のため終始外を回らされて、直線も大外から良く伸びてきたが0.7差の５着。レースが終ってから伸びてきたような印象だ。－１２Ｋとほぼ理想の馬体重でこの結果では二千の距離もスピード競馬も向かないと見ていいだろう。マイル半くらいの距離で少し時計のかかる馬場でこその馬かもしれない。

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