エリザベス女王杯 回顧 [競馬]
スノーフェアリーは本賞金9000万円、褒賞金9000万円の併せて1.8億円を稼いだ。ポンド換算すると131万ポンド(137円/1£)でエプソムダービーの1着賞金80万ポンドの1.5倍以上だ。強い円のビッグプレゼントにレース名にもなっている本国の女王様もさぞやお喜びのことでしょうなぁ…。
天候; 馬場;良
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〇 スノーフェアリー 2:12.5 前半3F 36.2 - 4F 48.5
△ メイショウベルーガ 4 上り4F 48.2 - 3F 36.3
▲ アパパネ 1 3/4
リトルアマポーラ ハナ
△ ヒカリアマランサス 3/4
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馬券 スジは間違ってないのだが頭がなぁ~
スタートで後手を踏んだテイエムプリキュアだったが、ジワッと行って1角では先頭に立っていた。そこから後続を引離しにかかり1000m60.1、3角坂の頂上手前残り800は1分24秒3で平均ペース。2,3番手のセラフィックロンプらは10馬身以上後で、更に5馬身ほど離れて馬群集団の先頭にリトルアマポーラとなり、馬群の中にいた主力馬にとっては緩いスローな流れだった。
さすがに今年は坂の下りから動き始める馬もいて逃げるテイエムとの差は縮まったが、それでも残り600通過が計算上はリトルアマポーラで先頭と1.8差の1分38秒0、アパパネで2.2差の1分38秒4だから余裕を持っての追走であったと言えるだろう。
結局、本調子にないテイエムがバテ、先行した格下のセラフィックロンプなども一杯になり、残り3ハロンからの加速力勝負になり34秒台の瞬発力を発揮したスノーフェアリーとメイショウベルーガが1,2着となった。レース全体としてはスローな流れの後半だけの勝負で、勝ったスノーフェアリーだけが水準レベルで、2着以下の馬は“壊れた”レースの昨年ほどでないにしてもアパパネで2分13秒5と前日の準オープンクラスの時計にも及ばない内容なので平均以下のレベルだったように思う。
こうなると今年の3歳牝馬世代はレベルが高いとの評価も微妙になってくる。やはり三冠馬が出現するような世代は他の馬が弱いということなのかも? 3歳牝馬世代は完成度の高いアパパネだけが頭一つ抜けていて牝馬陣のトップレベルにあるが、アニメイトバイオなど他の馬は現時点では例年並みの牝馬だとの仮説を建てて今後の重賞戦線を見て行きたい。
前半=中盤=後半 1000m 1600m
2010 スノーフェアリー 良 2分12秒5 48.5=35.8=48.2 60.1 1分36秒2
2009 クイーンスプマンテ 良 2分13秒6 48.3=36.7=48.6 60.5 1分36秒8
2008 リトルアマポーラ 良 2分12秒1 47.2=37.3=47.6 59.3 1分36秒9
2007 ダイワスカーレット 良 2分11秒9 48.3=37.7=45.9 60.6 1分37秒8
2006 フサイチパンドラ 良 2分11秒6 46.1=36.0=49.3 57.4 1分35秒1
ドンカスターS(1000万下) 良 2分14秒2 49.0=38.0=47.2 61.7 1分38秒8
比叡S (1600万下) 良 2分13秒4 47.2=37.1=49.1 59.6 1分36秒0
勝ったスノーフェアリーは終始アパパネをマークする位置でレースを進めた。直線アパパネが外に進路を取ったため、前が開きそこを内にもたれながらラチ沿いを伸び上り34.0の切味で圧勝した。内外の差があったとしても遠征のハンデを考えると、日本の牝馬とは正直“モノ”が違うと言っても過言ではないだろう。父がRoberto系であることから血統面でも日本の芝に適応できると思えたが、ウイジャボードでJCに2度参戦した経験のあるダンロップ調教師も日本の堅い芝コースに適性があると見たからこそ遠い極東に遠征してきたのだと思う。狙いはピッタリだったが、日本にはもっと強い牝馬が2頭いてそれらが不在のレースだった幸運にも恵まれたような気がする。中1週で53Kの斤量で出られるJC参戦との話もあるようだが、ムーア騎手が騎乗出来ないので恐らく回避して同厩舎のウイジャボードが勝っている香港ヴァースに向うのでは?
勝馬から4馬身離された2着のメイショウベルーガは道中中団を追走し、直線は外に持ち出して伸びて来た。この馬の持味はほぼ発揮し当面の相手であったアパパネにこそ勝ったが、相手が悪かったとしか言い様がない。京都の外回りコースは坂で加速できるので、勝負所でもたつくこの馬にとって最も合うコースなのだろう。次はJCらしいが牡馬相手となると展開面の助けがないと厳しいのでは…。
好スタートのアパパネはジワッと下げて中団の前目の位置。道中流れに乗って直線に向いて追い出されたが秋華賞のように弾けるような伸びはなかった。それでも最後は粘るリトルアマポーラをハナ交わしての3着。秋華賞で目一杯の競馬をした後遺症が残っていたかもしれないが、本質的には距離が少し長いように思う。オークスこそ同世代相手だから何とかできたが、古馬一線級相手となると、やはりマイルから二千が適距離でないかと思う。年内は休養するようなので、馬体をオーバーホールして来年はヴィクトリアマイルから安田記念を狙ってもらいたい。
ゲートの出が悪かったサンテミリオンは徐々に前に進出して3角では勝馬の直後にいた。そこからペースが上がるとおっつけてやっとの追走。直線は内を突いたが全く伸びず1.5差の9着。秋華賞惨敗からのガラリ一変はやはり無理だった。それとデムーロが“渋って重い馬場”だったらと言っていることや稍重だったオークスを併せて考えると切れる脚がないのかも? となるとこの先も期待できないかも…。父ゼンノロブロイは4歳秋にピークを迎えたが、父と同様な成長過程を期待したいところだ。
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