ジャパンカップ・ダート 回顧 [競馬]
ジャパンカップとは名ばかりで実態は阪神カップ・ダートと言ってもいいくらいで、外国馬の参戦がなかったのは右回りが嫌われたから? ダート競馬が主流の米国は左回りだし、ドバイのオールウェザーも左回りだ。左回りが主流の世界のダート戦線で日本だけが右回りでは来年も外国馬、とりわけ米国馬の参戦は期待できないかも?
レース結果 天候; 馬場;稍重
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トランセンド 1:48.9 前半3F 35.9 - 4F 47.9
グロリアスノア クビ 上り4F 48.9 - 3F 36.6
アドマイヤスバル 1 1/4
◎ バーディバーディ ハナ
△ シルクメビウス 2
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馬券 ダートは当る気がしませんわぁ~。
好スタートのトランセンドが、バーディバーディとダイシンオレンジを1角のコーナーワークで振り切り1馬身半ほどリードを取った。乾きが遅かった馬場で1000m通過が60.0は平均ペースだろう。レースは澱みなく流れ、直線入口でバーディバーディに一瞬並ばれる場面もあったが、残り100を過ぎてから突き放して、ゴール直前では凄い脚で迫ってきたグロリアスノアを尻目にシンジが腰を浮かせる余裕も見せてのフィニッシュ。
勝ち時計こそ速いが馬場が走りやすいコンデションだったことを考えると取り立てて評価する程ではないと思うし、ワンペースの一本調子のレース運びが嵌ったと見ていいのでは。ダート馬のレベル自体が年々低下してきているように感じるのだが…?
前半=中盤=後半 1000m
2010 トランセンド 稍 1分48秒9 35.9=36.4=36.6 60.0
2009 エスポワールシチー 良 1分49秒9 36.3=36.5=37.1 60.7
2008 カネヒキリ 良 1分49秒2 36.7=35.9=36.6 60.2
G1初制覇となったトランセンドは軽いダートだと2度のレコードを含めて連を外したことがない巧者なので馬場に恵まれたのとテンに速い馬が回避したことで相手にも恵まれたのが勝因だと思う。父Wild Rushは米国のダートでもG1馬を3頭送り出し、日本でもダービーグランプリG1をレコード勝ちしたパーソナルラッシュを輩出している。 その父系はWild Again→Icecapade→Nearcticと遡るので種牡馬ラインではNearctic系と呼ばれているがNearcticと言えば大種牡馬Northern Dancerの父でもある。トランセンドの活躍によりこの系統の種牡馬が輸入されることになるかも? ドバイ遠征も考えているようだが、オールウェザー適性はあると思うので、あとは能力が通用するかどうかだろう。ただ、スピードタイプのダート馬のピークを5歳まで維持するのは厳しいと思うのだが…。
距離が少し長いのではと見ていたグロリアスノアが、直線馬群を捌いて伸びてきてのクビ差2着には少々驚いた。思えば今年のフェブラリーSで◎を打った馬だ。その時の回顧で“湿った軽いダートなら一変する可能性がある”と書いているのにすっかり忘れて軽視してしまったのは反省しなければならない。父系、母系ともミスプロ系なので5歳になると急速に衰えがくるような気もするので、来年のフェブラリーSでは4歳勢に逆転されると思うのだが…。
3着のアドマイヤスバルは昨年のこのレースも5着でこれで12戦連続で掲示板を外していない堅実派である。今日も先団馬群の内で流れに乗り4角の勝負所で上手く外に持ち出し、直線はグロリアスノアと並んで追い込んできたが、あと一押しが足りないようだ。馬主孝行な馬だがもう7歳なので上がり目はないだろう。
本命に推したバーディバーディは2番手からの競馬で、直線入口ではトランセンドに並びかけ食い下がっていたが、200の標識を過ぎたあたりからジワジワと離されて、最後は一杯になって後続にも差され0.2差の4着。素質は高いと見たのだが、その片鱗は見せてくれたように思う。まだまだ成長余力のある血統なので来年は期待してもいいのでは…。
アリゼオは出遅れて後からの競馬になって砂を被せられ、最後は頭を上げて完全に戦闘意欲を失って殿負け。フェブラリーSでも芝からコンバートを狙ってきた馬は全滅だったことを考えると、まあ当然の結果と言える。惨敗の後遺症が残り今後に影響しないか心配になる。
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