オークス 回顧 [競馬]
ディープインパクト産駒は2、3、4着。ディープ産駒のオークスになると見ていたが、勝ったのはキングカメハメハと同期のスズカマンボ産駒だった。キングカメハメハはダービー馬になりスズカマンボは5着だった。皐月賞、NHKマイル、そしてオークスと今年はマイナー種牡馬産駒がG1を制す珍しい年になりそうだ。
レース結果 天候; 馬場;良
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メイショウマンボ 2:25.2 前半3F 35.7 - 5F 59.6
〇 エバーブロッサム 1 1/4 上り4F 48.5 - 3F 35.7
△ デニムアンドルビー 2
▲ アユサン 1 1/4
フロアクラフト 1 3/4
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馬券 馬を生で見ても当らんわ…
現地のパドックで馬を観察したがパッと目についたのは黒光りしたサクラプレジールだった。素人の見た目なので、周りにいる人たちにもそれとなく聞いてみたが、その人たちの目にも良く映ったようだった。デニムアンドルビーがずっと内側を回っていたのは気になった。トーセンソレイユは馬体重こそ+2だったが華奢な馬体で成長途上の馬を何とかダマシダマシここまでもってきたように見えた。
ジワッと行くと見ていたクロフネサプライズが最初から行く気満々で先頭に。つられたのかトーセンソレイユも追いかけて行った。バックストレッチに出ると縦長の隊列になり、1000m通過59.6は高速馬場の府中のG1では平均ペースか。その後もラップは落ちず、一時は7馬身以上2番手以下を引き離していたクロフネサプライズは3角手前からペースを落としたのか、それとも落ちたのかわからないが、ラップが12.9-12.8と緩んだため、後続が一気に押し寄せてきた。直線坂を登った所でもクロフネサプライズが僅かに先頭で粘っていたが、2番手以下は5,6頭が横一線に並んだ。
そこからグイッと伸びてきたのがメイショウマンボだった。エバーブロッサムが追いかけてきたが差が縮まらず、後方から一気に伸びてきたデニムアンドルビーも内で粘るアユサンを捉えて3番手まで上がるのがやっとだった。
勝ち時計は昨年のジェンティルドンナには遠く及ばないが、それでもローブデコルテの記録を0.1上回り歴代2位である。前後半「71.4=73.8」で全体として澱みのない流れになり、スタミナタイプが台頭するレースになった。マイラー色の濃い馬には厳しい流れだったと言えるだろう。昨年のイメージが残っているので平凡なレースに見えたが、ハロン13秒台が一つもない澱みのない流れの厳しい競馬で、中距離適性とスピードの持続力が要求され、昨年を除く例年以上のレベルにあると見たのだが…
前半=中盤=後半 1200m 上り
2013 メイショウマンボ 良 2分25秒2 47.7=49.0=48.5 71.4 35.7
2012 ジェンティルドンナ 良 2分23秒6 47.1=48.6=47.9 71.0 35.7
2011 エリンコート 良 2分25秒7 48.3=49.6=47.8 72.9 35.3
2010 アパパネ・サンテミリオン 稍 2分29秒9 47.8=52.7=49.4 73.7 35.9
2009 ブエナビスタ 良 2分26秒1 48.5=50.2=47.4 73.5 34.8
2008 トールポピー 稍 2分28秒8 48.7=51.5=48.6 74.3 35.7
2007 ローブデコルテ 良 2分25秒3 47.0=50.1=48.2 71.9 35.8
2006 カワカミプリンセス 良 2分26秒2 46.3=50.5=49.4 70.5 36.2
メイショウマンボは輸送しての+10Kは太く映らなかったが、これと言って目につくとこもなかった。道中中団の内々でジッとしていて、直線やや外に出して坂を一気に登り先頭伺う勢いで、残り300あたりで先頭に。そこから末脚を持続できるのだから良い物を持っている。私の見立ては小回りコースで切れる脚を使う馬だったので、直線の独走を呆然として見ていた。展開が嵌った感もあるが、まだまだ成長余力がありそうなので夏を無事に越せればペースが速くなる秋華賞でも勝ち負けできるかも? 父が天皇賞馬スズカマンボでBMSがRoberto系グラスワンダー、祖母の父がダート血統のJade Robberyならスタミナが無いはずはないし距離ももつわな。血統から渋った馬場もこなしそうだ。
エバーブロッサムも中団からの競馬で4角外を回った。坂を登ってからいい脚で伸びてきたがメイショウに並ぶこともできず完敗と言った感じ。素質は高いが1勝馬なのでこれが現時点での限界かも?勝ち味に遅いタイプになってきた感もあるが、ジックリと育てていけば秋には重賞を取れると思うし、Danzig系の母系なので直線平坦の淀の軽い芝も合いそうだ。
スタートで後手を踏んだデニムアンドルビーは慌てず殿から。ラップが落ちた3角辺りから上がって行った。直線坂を上がってからグイッと伸びてきたが3着止まり。ズブさが目立つレースだった。と言うより流れがスローならフローラSの様に切れる脚を使えるが、道中なし崩し的に脚を使わされた今日のようなレースでは切れ味が削がれたと言う事だろう。それに2月から使い詰で今日が5戦目と小柄な牝馬には目に見えない疲労が蓄積していたのかも?マイル半も少し長いような気もする。馬体がチョイ寂しいので、この夏の成長に期待したい。
アユサンは道中メイショウマンボと並走していた。直線は内から伸びてきて3番手まで上がってきたが、最後脚が上りデニムアンドルビーに差された。この馬もマイル半の距離は長そうだが、最後脚をもたせられなかったのかなと思う。ヤネは上手くレースを運べたと言っているようだが、何かが足りないような気がする。ローカルの重賞一つしか勝ったことのない騎手では現時点の限界なのかも?
トーセンソレイユはクロフネサプライズを深追いし、しかもサクラプレジールと2番手で競り合ううような形になり、直線坂下でもう余力はなかった。ネオユニヴァース産駒牝馬なのでどこまで今後成長できるか疑問な所もあるが、ディープインパクトの半弟と良血でもあり、変ってくる可能性はあるかも? 早熟タイプだと思うのでこの夏から秋が正念場になるのでは…。
レッドオーヴァル、サクラプレジール、クロフネサプライズの敗因は距離だ。この3頭はスプリント、マイル路線に活路を開くべきだろう。
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