「株戦記」 いつまで続く世界同時株高 [株]
日経平均は木曜日一気に1万8千円を超えた。日銀による利上げがなければ1万8千は超えるだろうと先週の見通しで書いたが、結果は0.25%の利上げで円安は進行するし株価はスイスイと上がり金曜日にはザラ場で1万8239円まで上げた。巷間言われているのは、これで当面追加利上げはないとの見方が広まり安心感から円安に振れ輸出銘柄中心に株価上昇に至ったとのこと。
業種別では鉄鋼・不動産・証券などが上昇し、電力・ガスは下落した。
個別には三菱地所、三井不動産、住友不動産の不動産大手3社が上場来高値を更新した。JFEホールディングス、商船三井、川崎汽船、三井物産、住友商事なども上場来高値を取った。REITも軒並み上場来高値を更新した。
一方、不適切な会計処理で証券取引等監視委員会の調査を受けている三洋電機は金曜日に20%以上の下落、決算下方修正のドンキホーテなども週間で10%以上の下落になった。
新興市場も連れ高したが売買高はそれほど増えていない。ただ、主力銘柄に過熱感があるので物色動向変化が感じられるような動きだった。
米国市場では、DOWが休場明け火曜日に史上最高値を更新したが、その後3日続落。背景に原油、金などの価格上昇があるようだ。土曜日のCNN Moneyを見たら「DOW 3strikes、out」となっていた。NASDAQは木曜日まで3日続伸し年初来高値を更新した。注目していたヒューレットパッカードは決算が嫌気されて5%近く下落。
今週の市場
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週末値 前週比
日経225 18,188 312
日経JQ 2,219 20
NYDOW 12,647 -128
NASDAQ 2,515 19
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来週の主なスケジュール
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国内
28日 1月鉱工業生産指数
1月住宅着工件数
02日 1月消費者物価指数
1月家計調査
1月労働力調査
海外
26日 中国市場再開
27日 米1月耐久財受注
米1月中古住宅販売件数
28日 米1月新築住宅販売件数
01日 米2月ISM製造業景気指数
02日 米2月雇用統計
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来週の見通しと投資スタンス
昨年6月中からスタートした世界同時株高も9ヶ月目に入ろうとしている。過熱が明らかなのは上海、ムンバイなどの新興国の指数である。その中で小さな変化も見受けられる。①春節入り前の中国政府による金融引き締め②インドのムンバイ指数が2月初めから下落基調などである。中国、インドが調整しても市場規模が小さいので世界市場への影響度は小さいだろうが、高成長のシンボルであるので心理的に慎重なマインドが増幅される可能性には注意しておく必要がある。来週の旧正月明け上海市場の値動きに注目している。新聞などで大きく取り上げられたときはピークが近いと考えておいたほうがいいのでは...。
国内市場は不安要因がほとんどない。鉱工業生産指数も先に発表された貿易統計から類推すると悪い数字にはならないだろう。こうなると米国市場の動向次第だ。その米国市場では各種経済統計の発表が目白押しだ。住宅と雇用がポイントであとは原油などの商品市場の動向に左右されるのではないかと見ている。国内だが鉄鋼、不動産などはPERから見ても買われすぎなので徐々に調整され、物色の矛先が低位小型株への移動徐々に強まってくるのではと見ている。今週も株価三桁銘柄の上昇は目立ったが、この流れは来週も続くと見ている。上がるから買わざるを得ないベンチマーク投資のファンドマネジャーもそろそろ降りるタイミングを計っていると見る。
投資スタンスは買いだが、特に新興市場銘柄だ。先週からちょこちょこと買っていたが、十分利が乗ってきたので買い増しをしたいと思っている。
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