ジャパンカップ 回顧 [競馬]
今年も日本馬が掲示板を独占した。欧州馬は遠征とシーズン末期のハンデがあるので体調をキープするのが難しい面もあるが、今や芝の中長距離での日本馬のレベルは世界最高水準にあると言っていいだろう。勝負師アンカツがレースを厳しくしたため、今年も見応えのあるレースだった。
レース結果 天候; 馬場;良
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▲ ブエナビスタ 2:24.2 前半3F 37.1 - 4F 49.6
△ トーセンジョーダン クビ 上り4F 45.7 - 3F 34.5
ジャガーメイル 1 3/4
トレイルブレイザー 1/2
△ ウインバリアシオン 3/4
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馬券 馬連だけ何とか当てたが…消化不良気味です
ミッションアプルーヴドがハナに立ち2番手にスッと大外枠のトーセンジョーダン。この瞬間トーセンジョーダンが勝つだろうと直感がした。トレイルブレイザーが続き、ブエナビスタは中団の前目、デインドリームは後方で、後方2番手にウィンバリアシオン、殿は何とヴィクトワールピサ。
1000m61.8でスクリーンヒーローが勝った2008年と同タイムのスローだったが、中間地点の残り1200あたりでウインバリアシオンが外を回って上がって行きピッチが上がり残り800あたりで先頭のミッションアプルーヴドに並んだ。残り5ハロンから11秒台のラップが続き、スピードの持続力が求められるレースに変化していった。後続もジワジワと脚を使わされたので、内々の経済コースを回った馬だけが何とか余力を残せたようだ。
結局、掲示板に載ったのは全て先行好位集団より前にいて、内ラチ沿いをロスなく回った馬になった。2000mの時計はウオッカが勝った年には及ばないもののここ6年でも2番目に速く、長くいい脚が使える地力勝負の消耗戦的なレースになったと言えるだろう。時計は平凡だが、前後半の千二が「74.1=70.1」で前半はチョー平凡、後半は一転してタフなレースで、底力が問われたとも言えるのでは…。
前半=中盤=後半 1000m 2000m
2011 ブエナビスタ 良 2分24秒2 49.6=48.9=45.7 61.8 2分00秒7
2010 ローズキングダム 良 2分25秒2 48.7=49.6=46.6 60.7 2分01秒7
2009 ウオッカ 良 2分22秒4 47.2=48.1=47.1 59.0 1分58秒7
2008 スクリーンヒーロー 良 2分25秒5 49.2=50.0=46.3 61.8 2分02秒3
2007 アドマイヤムーン 良 2分24秒7 47.9=50.3=46.5 60.1 2分01秒7
2006 ディープインパクト 良 2分25秒1 49.1=49.8=46.2 61.1 2分02秒3
シンボリルドルフ→トウカイテイオー以来の親子制覇となったブエナビスタ。渾身の仕上げでプラス体重で出てきたので連は外すことはないだろうと見ていたが、道中内々の好位で理想的な位置取りで、直線外に出して早めに抜け出したトーセンジョーダンをキッチリ捉えた。昨年降着で逃した借りをキッチリと返した形だが、内容的に昨年ほどの凄みがなかったように見えたのは、心なしか衰えの兆候かも? それに真面目に走る馬なので反動も心配したくなる。有馬まであとひと月、果たして状態と闘争心を維持できるだろうか?
盾制覇がフロックでないことを示したトーセンジョーダンは大外枠だけが心配だったが、ヤネがスローペースを見越して積極的な競馬。こうなると本格化したこの馬は府中のマイル半なら崩れない。直線先頭に立ち早めにウィリアムズの手は動いていたが、そこから中々バテない持続力のある末脚を繰り出してブエナを苦しめた。昨年5着の有馬は脚質的に中山向きの所もあるので人気になるだろうが、父ジャングルポケットも皐月賞3着、有馬記念7着で産駒も中山G1では勝てていないので頭から狙うのは危険なような気がする。
前半はやや後ろからの競馬となったジャガーメイルはバックストレッチで内の経済コースを徐々にポジションを上げていき、直線ではブエナの直後。ブエナが外に出したのに合わせるように、少し外に持ち出して渋太く伸びて来ての3着。昨年このレース4着はローズキングダム、ヴィクトワールピサと0.1差だったことを考えると、盾の凡走と年齢もあり盲点になっていたように思う。府中マイル半なら展開次第で今でもそこそこやれる力があると言う事だろう。4年連続で香港ヴァースなのか有馬になるのかわからないが、少なくとも中山では馬券にはならないと思うのだが…。
4着のトレイルブレイザーは内ピッタリの先行策が嵌った競馬だった。力はつけているが最後まで終始前にいたトーセンジョーダンを捉まえられなかったあたりにまだ力差がありそうだ。香港ヴァースに選ばれればそちらに向かうようだが、ゼンノロブロイ産駒で母系にRibotの血も流れているので4歳のこの秋急速に力をつけてきている可能性もあり、スノーフェアリーが回避しそうな幸運もあるのでチャンスがありそうだ。
遅いペースを嫌い予想外の早めの仕掛けになったウインバリアシオンは、直線坂上でトーセンジョーダンに交わされてからも渋太く脚を使って粘っていたが0.5差の5着。昨年の有馬やドバイWCのヴィクトワールピサのようなレースをしたにしては、最後までバテてはいなかったが粘り切る脚はなかったようだ。古馬の一線級とは力差がまだありそうだ。有馬は回避して来年の春の盾が目標のようだが、現時点では力不足で中山向きの脚質でもないので正解かも?
便宜上本命に推したペルーサは4角手前で一杯になり殿に負けた。叩き2戦目で絞れてくると見ていたが何と+4Kだったので嫌な感じで見ていた。ノリは精神面での脆さが出たと言っているようだが、この結果はその程度の理由ではないような気がする。本質的にこの距離は長いのではないだろうか? それに父ゼンノロブロイほど成長力がないのでは? いづれにしろ有馬で巻き返すのは至難だろう。
外国馬は予想通りの内容だったが、唯一そこそこ勝負になると見たデインドリームのゴール手前の伸びは際立っていた。ただエンジンのかかりが遅いと言うが、直線の坂が堪えていると言うか、何とも判断に迷うところだ。53Kと斤量に恵まれるレースでの結果は、やはりニジンスキー系の馬はJCでは相性が悪いと言う事だけが証明されたように思う。
影の主役は、アンカツさんでしたね。
デインドリームは、スタートの失敗が響いた感じです。外が伸びる馬場だと、もっと面白味が増していたのに…。
by シービーちゃん (2011-11-30 23:58)
>シービーちゃん さん
確かにデインドリームのスタートはまずかったですね。あれで2馬身ほどハンデになりましたね。馬場は他のレースを見ても内外均等だったような気がします。外人騎手は概ね内の経済コースを通り馬の負担を少なくする乗り方をするのですが、日本の馬場で未勝利のシュタルケにはそれができなかった。これが最大の敗因では?
by miharukoma (2011-12-02 17:57)