フェブラリーS 回顧 [競馬]
ゴール前の三つ巴の叩き合いは見応えがあった。ダートレースもこういう接戦が多くなればもっと人気が出るような気もする。上位馬の血統には特徴的なバイアスがあった。1~3着馬の母系にはDeputy Ministerが入っており、5着馬の祖父も同様であった。この系統の代表産駒クロフネが芝でもダートでも同じようなタイムで走ったことを考えると、ダートのスピード競馬に最も向いている血統なのかもしれない。
天候; 馬場;稍重
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○ サクセスブロッケン 1:34.6R 前半3F 35.1 - 4F 47.0
◎ カジノドライヴ クビ 上り4F 47.6 - 3F 35.8
カネヒキリ アタマ
△ エスポワールシチー 1 1/4
▲ フェラーリピサ 1 1/2
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馬券 馬単:本線で的中!! 3連単:沈没
大方の予想通りエスポワールシチーの逃げで、カジノドライヴ、サクセスブロッケン、フェラーリピサ、カネヒキリと有力馬が続く形になった。ヴァーミリアンは馬群の中団、出遅れたサンライズバッカスは後方からとなった。エスポワールの逃げは1000mが58.8と平均ペースで、4コーナーから更にラップを上げて後続を3馬身ほど引離して直線残り400を通過した。残り200からは4頭による見応えのある叩き合いになった。まずカジノドライヴがエスポワールを交し先頭に立ったが、内からカネヒキリが一完歩ごとに迫り、外からサクセスブロッケンが脚を伸ばしてきた。ゴールでクビでたのはサクセスブロッケン、続いてカジノドライヴ、アタマ遅れてカネヒキリ、更に最後の100で力尽きたエスポワールが1馬身ちょっと遅れて入線した。。
レース中盤でもペースが緩まず、むしろラップが上がったことにより、平均的に速い流れとなりスピードとスタミナの両方を要求されるタフなレースとなった。馬のもつ能力と底力が問われたと言うことだろう。
戦前予想したようにスピード能力を問われるレースとなったため若い世代が上位を占めたが、これでダート戦線の世代交代が加速されると思う。敢えて言うなら「カネヒキリ、ヴァーミリアンの時代は終った!」と結論付けてもいいのでは…。
シンボリクリスエスに初の中央GⅠをもたらしたサクセスブロッケンは、道中終始3番手をスムーズに追走し、直線ではカジノドライヴに一旦離される場面もあったが、残り200から加速し持続する末脚で差し切った。古馬とのGⅠで揉まれた経験が生きたこととRoberto系らしく3歳後半から4歳にかけての成長力が勝因だと思う。前脚が外向しているハンディがありながら、ここまで馬を鍛え育ててきた“チーム藤原”による日々の努力も忘れてはいけないだろう。この後は脚元を見ながら秋まで休養の予定のようだが、距離伸びるジャパンカップ・ダートでも主役になるのは間違いないと思う。
2番手からの競馬になったカジノドライヴは、直線に向いても手は動かず追出しを少し遅らせたような気もするし、前を行くエスポワールがなかなかバテないので捉まえるのに苦労したことが、最後の最後で響いたかも。自ら動いてのこの結果は仕方が無いかも知れないが、この馬の能力の高さを改めて示したと思う。これで賞金も加算できたので大きなレースでの除外の恐れもなくなった。ドバイでどこまでやれるか不安もあるが、まだまだ成長余力のある馬なので環境に適応できれば大仕事をやってくれるかもしれない。
7歳にして4歳時に記録した自身のタイムを0.3更新し僅差の3着に割り込んだカネヒキリには驚いた。それも府中ダートマイルで不利と定評のある内枠発走と直線でやや窮屈なところに入りスムーズさを欠いたのに。競走馬にとって致命的な病気を克服してのこの結果には頭が下がる思いだ。まだまだ力は衰えていないことを見せ付けたが、速いタイムで劇走したことで脚元が大丈夫なのかとの懸念もある。次走は未定のようだが、GⅠ8勝目がかかるので老雄にはもう一踏ん張りしてもらいたいところだ。
ケレン味のない逃げで直線も残り100まで粘った4着のエスポワールシチーも力を付けている。GⅠ初挑戦を真っ向勝負した経験は今後のレースで生きてくると思うし、血統的にもまだまだ成長余力があると思うので、秋には楽しみな1頭になるような気がする。
0.5差の6着に敗れたヴァーミリアンはいいとこがなかった。ユタカは距離が敗因だと言っているみたいだが、見せ場も作れなかったとこを見ると、ピークは過ぎたと言ってもいいだろう。ダート馬の衰えは急に来るので、この先のレースでの苦戦は免れないのでは…。
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