マイルＣＳ 回顧

1～3着馬は父系にも母系にもサンデーサイレンスが入っていない非サンデー系であった。Ｇ１で非サンデー系が上位を独占したのはいつ以来だろうか？　エリザベス女王杯回顧でも書いたがジワジワと血の変化が起こっているようだ。

レース結果     　　　　　　　    天候；　　 馬場；稍重
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　△　エイシンアポロン　　　1:33.9　　前半3F 34.4 - 4F 46.7
　　　 フィフスペトル　　　　  クビ　　　   上り4F 47.2 - 3F 35.3
　　　 サプレザ　　　　　　　 １ 1/2
　　　 ダノンヨーヨー　　　　 クビ
　◎　リアルインパクト　　　 ３／４
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馬券　完敗だァ…

シルポートは予想通りジワッとした逃げで1000mが58.6と渋った馬場を考慮するとほぼ平均ペースだろう。坂の下りで引き離したかったが後続の追い上げも早く直線に向いた時は2馬身程度のリードだった。残りひとハロンで2番手にいたフィフスペトルと外に出し早めに上がってきたエイシンアポロンの一騎打ちになり僅かにエイシンアポロンが先着した。

内々の経済コースを通って前々の競馬をした馬が上位を占める“行った行った”の単調なレースと言えるだろう。前後半の半マイルは「46.7=47.2」。渋馬場適性の差が出たレースで、1、2着馬に共通しているのは暮れの中山朝日杯ＦＳで2着していることで平坦淀にしては上りのかかる特殊なマイル戦だったと言う事だろう。来年の安田記念では上位メンバーも着順もガラッと替わりそうだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　             前半=中盤=後半　1000m
2011　エイシンアポロン　　稍　1分33秒9　34.4=24.2=36.3　58.6
2010　エーシンフォワード　良　1分31秒8　33.7=23.0=35.1　56.7
2009　カンパニー　　　　　 良　1分33秒2　34.8=23.9=34.5　58.7
2008　ブルーメンブラット　 良　1分32秒6　34.4=23.5=34.7　57.9
2007　ダイワメジャー　　　 良　1分32秒7　34.4=23.6=34.7　58.0
2006　ダイワメジャー　　　 良　1分32秒7　34.0=23.5=35.2　57.5
2005　ハットトリック　　　   良　1分32秒1　34.2=22.9=35.0　57.1

重の鬼エイシンアポロンが馬場を味方にしてＧ１初勝利。父Giant's Causewayは欧州のマイル戦線でＧ１馬をあまた輩出している種牡馬で、BMSがSadler's Wellsだから時計のかかるマイルがベストなのだろう。Storm Cat系なので今がピークだと思うが、今日のような馬場に恵まれれば今後もＧ１では勝てないまでも馬券に絡んでくる可能性は少しあると思う。来年のアジアマイルチャレンジを考えているようだが、血統的にも5歳で力を維持できるかは疑問なので、勢いのある今こそ香港マイルに向かった方がいいと思うのだが…。

父がKingmambo直仔キングカメハメハなのでマイルの渋った馬場への適性があったこともあるだろうが、2番手からロスのない競馬で2着と善戦したフィフスペトルはノリの好騎乗の賜物と言っていいだろう。全てが嵌ってもＧ１を勝てなかったように、恐らくこの先Ｇ１を獲れるチャンスはないのでは？　暮れの阪神Ｃあたりに出てくれば人気になりそうだが、先行すればハイペースに巻き込まれ末を失いそうな感じがする。

外枠で馬群が固まっていたため中に入れられず4角外を回す羽目になったサプレザは直線猛然と追い込んできたが0.2差の3着がやっとであった。欧州馬らしく渋った馬場は上手なようで、外枠の不利や前残りの展開など運がなかったとも言えるのでは。これでマイルＣＳは③④③と崩れなかったわけだが、ミスプロ系が勝ったことのないこのレースの歴史を考えると、遠征競馬でもありよく頑張っていると言えるだろう。次は昨年同様香港マイルに向かうだろうが、堅実さで上位に来ると予想するも勝つまでは厳しいような気がする。

本命に推したリアルインパクトは好位の7、8番手からだったがエイシンアポロンより後ろに位置するとは…。結局何もしないままなだれ込んだだけの競馬で0.4差の5着。長距離輸送も問題なくこなしてパドック、返し馬の気配もよかったのに勿体ない競馬だった。ユーイチは“弾けなかった”と言っているようだが、瞬発力がある馬でないことは解っているだろうに…。馬場が敗因のようなことも言っているようだが、この馬も中山朝日杯2着があるように流れ的にも向いていたレースで、真の敗因は馬の持ち味を殺した乗り方でハッキリ言うと騎乗ミスだろう。この辺りがいい馬に乗せて貰って今年重賞9勝もしているにもかかわらずＧ１を勝てていない所以なのかも？　

Ｇ１2勝のグランプリボスは何と出遅れて最後方からの競馬。終始外を回ったにせよいい所なく1.0差の13着。Frankelに大差をつけられた欧州遠征の後遺症から立ち直っていないようだ。古馬との対戦でマイルでは底を見せたような気もするので距離を短縮してスプリント路線に向かった方がいいかも？

 

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